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ラサの病室 (チベットメモ7)

2009.02.19 ▲チベット
IMGP5381_1

3回風邪を引いて、10日ほど終日咳き込んでいたら、
右あばら骨の下辺りが痛くなった。

痛すぎて息もしたくない程だったので、ラサ市民病院へ行った。

宿で同部屋のベルギー人(29歳)は、1ヶ月ほど滞在していて、
フランス語なまりの英語と中国語を話す。
僕より彼の方が、中国語をよく話し、
彼より僕の方が、英語をよく話す。
会話中に行きづまったとき、得意な方で補うと、
うまく100%会話が成り立つという関係だった。

お互い歳が近く、お互い風邪を引き、お互い長逗留だったこともあり、
本当によく喋り、仲良くなった。

彼の曽祖父は中国人で、
1909年、清朝が欧州の要地ロンドン、パリ、ブリュッセルに
領事館を開く際に派遣された、皇族の一人だったという。
つまり、彼の先祖の一人は、愛新覚羅氏だったわけだ。
スカイプを通して彼の母親とも挨拶したが、母親は東洋人寄りの顔立ちだった。
とはいえ、1/8しか血を受けていない彼自身には、東洋的要素はまるで無い。

彼は、現代中国で満洲語が失われたことを嘆き、
現代中国人のマナーの悪さを嘆き、
100年前の中国を多少理想化して考えているロマンチストだった。
それは幻想だよ、と僕はたびたび容赦なく否定し、
彼もその度に、理性では納得はしていたものの、
その後もやはり言葉の端々から幻想のカケラがのぞいた。
やさしいロマンチストなのだ。

そんな彼だから、僕のあばらの痛みが極度に達し、始終うなっていた時、
親切にも病院まで同行してくれた。
「オレの方が中国語がうまいから、きっと助けになるはずだ」
などと、照れ隠しなのか、でも事実を言い訳にしながら。

医者はレントゲンを撮って診断したが、風邪薬を処方されただけだった。
そんなはずは無いと思い、その後、独自に情報収集を始めた。
すると、同じ症状になったことのある人がいて、
どうやらあばらの骨が折れているらしいと判明した。

ベルギー人にそれを話すと、
彼はさっそく、スカイプで会話中の母親に伝えた。
「同宿の日本人の骨が折れたんだよ。なんと!咳のしすぎが原因で」と。
そして、おかしそうにゲラゲラ笑った。

不思議と怒りは感じず、彼らと一緒になって笑った。
笑うと腹が痛んだ。




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[ラサ市民病院の通院証。]

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[普通のコピー用紙にプリントされたレントゲン。こんなんで分かんのかいな。]

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[心やさしきベルギー人の肖像。]





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