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サッカー・チベット代表選手 (チベットメモ11)

2009.05.20 ▲ネパール
IMGP8480


サッカー・チベット代表選手のソナム君28歳。


ポカラのチベタン難民キャンプを訪れたときに、
たらたらとお茶を飲んでいる彼と出会った。
「日本人か。中田は好きか?中村は?川口は?」と聞いてくる。
ずいぶん詳しい奴だなと思ったが、よくよく聞いていると、
チベット代表のサッカー選手だという。

代表チームは、各地のチベタン難民キャンプより選出されているという。
各地の難民キャンプ、つまりネパールのポカラ、カトマンズ、
インドのシーロン、ダラムサラ、ムンゴットなどにサッカーチームがあり、
なかでもポカラのチームは強く、
最近では5人ほど代表に送り込んでいるという。

彼自身も代表の一員としてプレーすること5年を過ぎ、
ヨーロッパにも遠征で数度訪れている。
2006年ワールドカップ開催直前にはドイツに行き、
彼らがホテルをチェックアウトした翌日、
同じホテルにアルゼンチン代表が泊まったんだ、とニアミスを惜しんでいた。
昨年は北京五輪への抗議のチャリティーマッチをしにヨーロッパへ行ったという。


出身は“カム”だという。
チベット文化圏の東部、現在の四川省や青海省の辺り。
といっても、彼自身はカムに行ったことが無い。
カムどころか、現中国内のチベットには行けないのだ。
ダライラマが1959年に中国を逃れ、ヒマラヤを越えたとき、
おじいさん、おばあさんの代に、チベットから逃れてきたのだという。
カムの出身者は、5000人余りが住むポカラのタシリン難民キャンプでも
10世帯に満たないほど少ない。
それでも、“カム”出身だということに彼は誇りを持っていた。
「カムの男はとても強いんだ」と。
カムでは現在でも男達は腰に“帯刀”しているとラサにいる時に聞いた。
尚武の気風が残る地なのだろう。


ポカラには5日ほど滞在したが、
毎日のように彼に会いにタシリン難民キャンプを訪れた。
日がな何をするでもなく過ぎていく。
お茶を飲みながら延々話をしたり、
人のやる賭けスゴロクを眺めていたり。

今年6月にダライラマ法王のお膝元・印度ダラムサラでサッカー大会がある。
でも、今回は彼らポカラのチームは参加しない。
理由を聞くと、ダラムサラのチームは自分達のホームで勝つために、
試合前に他チームの選手をナイフで脅迫するということが以前あったからだという。
両親に心配掛けたくないから、チームごと棄権するのだと言った。
それ以外の試合も、次回いつあるかは分からない。
彼は今、とてもヒマなのだ。

ポカラのタシリン難民キャンプは、40年以上もここにある。
ネパール政府は、ここが赤十字の土地だから手出しこそしないものの、
未だに市民権すらも与えてくれないのだと嘆いていた。
市民権が無いと、官民ともに就職できず、小さな商売に甘んじざるを得ない。
そのため、欧米や日本などに出稼ぎに出ている人が多く、
一家族に一人はいるという。
彼の妹も外国へ行っている。
ネパールでは、月に数万円も仕送りがあれば一家族が食べていける。

「代表チームは試合は、お金ではなく誇りのためにやっている」。
と、彼は言った。
実際、各方面からの援助を受けて、用具費、遠征費などを捻出しているだけに
給与が出るようなものではないらしい。

仕送りがあるし、食って、生きてはいける。
が、若くて能力も体力も有り余っているだけに、
くすぶっている。
そんな若い連中がたくさんいた。
お茶を飲み、賭けスゴロクをして一日をつぶす。

一度、そんな若い衆が集まった所で、僕がチベットで撮ってきた写真を見せた。
食い入るように見つめる彼らから、
ここはどこだ?あれはどこだ?と質問攻めにあった。
僕は言った。ここはカンデン寺だよ。そして、これはセラ寺。と。
そのたびに、溜め息まじりの喚声が起きる。
みんな、祖父母の代にあとにした土地の事を、よく知っているのだ。

そして、みんな、僕のことをラッキーだと言った。
「オレ等はチベット人なのにチベットへ行くことが出来ない。
 いや、オレ等チベタンには、住むべき土地が無いんだ」と。

“FREE TIBET!!”
しぼり出すように、一人が叫んだ。
しんみりした空気を吹き飛ばすように。
自然とみんなで大合唱になって、お別れした。




IMGP8336
タシリン難民キャンプ。
チベット本土を実際に知っているのは、もうお年寄りだけだ。

IMGP8333
おばあさんたちが、じゅうたんを作っている。
このキャンプでの商売は、じゅうたん作り、お土産屋、食堂など。












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